リリスクの縦型ミュージックビデオで盛り上がる”没入型”コンテンツ

公開後、瞬く間にSNSを中心に盛り上がり、早くも「スマホ向け縦型MVの最高傑作か」と語られている、ヒップホップアイドルユニット・lyrical school(リリカルスクール)のメジャーデビュー曲「RUN and RUN」のミュージックビデオが話題を呼んでいます。

このMVは縦型であるだけでは無く、iPhoneユーザーならほぼ使っているだろう、SMS、メール、Twitter、Vineといったアプリの画面をクリエイティブに取り込む事で、あたかも自分の携帯がリリスクにジャックされたかのような体験を楽しめます。

縦型ミュージックビデオというフォーマットでは昨年末、秦基博がC Channelとのコラボで日本初の縦型ミュージックビデオを配信、その後2016年1月には倖田來未が、DVD/ Blu-rayパッケージ商品の購入者向け動画配信サービス「スマプラムービー」で提供していました。

いずれもソロアーティストの全身が縦型スクリーンで楽しめる、スマートフォンならではの内容となっています。

リリスク「RUN and RUN」ミュージックビデオのもう一つの要素として、アプリを模したクリエイティブでスマートフォンをジャックするというのがあります。

こちらも時代の変化とともにいくつか先行事例があります。

安室奈美恵「Anything」はGoogle Chrome版のミュージックビデオを制作し、拡張機能とブラウザーが連動する体験コンテンツとなっています。

ブラウザーと連動する仕掛けは、HTML5でブラウザーの可能性が広がった時にGoogle Chromeとアーケイド・ファイアが共同制作した「Reflektor」がありました。

ただ観るだけでなくスマホやタブレット、マウスで画面をなぞることによって映像を変化させることができたり、カメラ機能で自分姿がPVの中に映り込んだりするという内容になっています。

アーケイド・ファイアは「The Wilderness Downtown」というプロジェクトでもGoogle Chrome向けコンテンツを制作し、今度はGoogleマップと連携するものになっています。

インターネットの世界がブラウザーからスマートフォン、そしてメールからメッセンジャーになると、それを反映してケイティ・ペリーが「Roar」で世界最大のメッセージングアプリ「WhatsApp」のUIを模したミュージックビデオを制作しました。

そしてこの曲の日本リリース時には、日本最大のメッセージングアプリ「LINE」とのオフィシャルコラボによるMVが製作されました。

今日本でも盛り上がっているInstagramでは、JUJUが「PLAYBACK」のミュージックビデオで、正方形の写真やフィルター、ハッシュタグを取り入れていて、出演する”インスタ王”GENKING他、フレッシュな夏の思い出がうまく表現されています。

こうして、テクノロジーの進化で音楽ファンの体験が変化していくと、それに合わせたコンテンツが作られるという循環でクリエイティブが進化していってます。

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