2016年9月26日の週は、音楽、メディアにとって大きな話題が続く週となりました。
まずは9月26日に発表されたラジコの新機能「シェアラジオ」。
ラジオ番組放送後、1週間に限り、いつでも後から聴くことができる「タイムフリー機能」が追加され、今やコミュニケーションのインフラとなったSNS等を通じて、お気に入りの番組を共有する事ができるようになりました。
この”シェアラジオ”という考え方が、9月28日にニューアルバム「Fantôme」をリリースした宇多田ヒカルの言葉とリンクした事もあり、ラジオファン、音楽業界関係者の間に「デジタル時代のラジオ」の姿として”再生”を遂げたと言っていいでしょう。
そして本日9月29日に、世界最大の定額制ストリーミング音楽サービス「Spotify」が日本に上陸しました。
詳細はこちらの記事をご覧いただいて、ここでは両社のコントラストを浮き彫りにした動きを紹介します。
MusicAllyによると、フランスのカンファレンスでSpotifyのthe global head of dance & electronic musicを務めるAustin Kramerが「ラジオは過去のものだ。もはや重要ではない」と語りました。「我々(Spotify)は、24時間常にユーザーのプレイリストの再生状況を入手しており、それはラジオには出来ないことです」とも語りました。
以前、私がRealSoundの記事でも取り上げたように、Spotifyの新機能「Discover Weekly」は毎週各ユーザーに最適化されたプレイリストが送られるサービスですが、毎週4000万人がアクセスをしており、規模としてマスメディアに匹敵しています。
欧米のラジオは、ステーション毎にセレクトする音楽の特色があったり、総合編成の局が地域毎にあったりと日本のイメージとは違う部分も多いです。
こうした部分をSpotifyやその他のサブスクリプションサービスが塗り替えていくのは必然なのかも知れません。
またアメリカのネットラジオ大手のPandora(パンドラ)はSpotifyと似た定額制サービスRdioを買収し、ラジオ+定額制の組み合わせでDMCAが有効なアメリカ以外の国や地域への展開を予定しています。Pandoraの競合のiHeart(アイハート)も同様の戦略を採るようです。
タイトルにつけた”死”と”再生”ですが、今週は、国ごとに違うメディアの在り方、音楽の聴き方を反映した大きな変化が明らかになった週になったと言えます。今後もデバイスやメディアの変化によるこのサイクルが繰り返されていくでしょう。
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